報連相がうまくいかない原因は?チームが自然に動き出す仕組みづくり

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「部下が報連相してくれない」「何度言っても報告が遅い」。マネージャーなら誰しも抱える悩みではないでしょうか。

ぼくも同じ悩みを抱えていました。でも、あることに気づいてからチームの報連相がガラッと変わりました。それは、報連相の問題はメンバーの側ではなく、「報連相したくなる環境」がつくれていない側にあるということです。

この記事では、解決志向の視点から、報連相が自然に生まれるチームのつくり方をお伝えします。

なぜ報連相がうまくいかないのか?

報連相がうまくいかない原因を、多くのマネージャーは「メンバーの意識が低い」「報連相のルールが甘い」と考えます。

でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。メンバーが報連相しない理由は、「報連相したくない」からではなく「報連相しにくい」からかもしれません

報連相しにくい環境とは、どんなものでしょうか。

報告したら叱られる。相談したら「そんなこともわからないのか」と言われる。連絡しても反応がない。こうした経験が積み重なると、メンバーは報連相を避けるようになります。報連相は「義務」ではなく「行動」です。行動は、その結果がポジティブなら増え、ネガティブなら減るのです。

これは脳の仕組みとも関係しています。人の脳には報酬系と呼ばれる仕組みがあり、「やって良かった」と感じる体験があると、同じ行動をくり返したくなります。逆に「やって嫌な思いをした」体験があると、その行動を避けるようになる。

つまり、報連相を増やしたいなら、報連相した結果が「やって良かった」と感じられるようにすることが最も効果的なのです。

報連相したくなる環境とは何か?

報連相したくなる環境には、3つの特徴があります。

① 報告したら「まず受けとめてもらえる」

悪い報告をしたとき、すぐに叱られるのではなく、まず「報告してくれてありがとう」と受けとめてもらえる。これだけで、次も報告しようという気持ちが生まれます。

ぼくのチームでは、どんな報告に対しても最初の一言は「教えてくれてありがとう」にしています。内容が良くても悪くても、です。報告という行動そのものを認めることで、報連相のハードルが下がります。

② 相談したら「一緒に考えてもらえる」

「そんなことぐらい自分で考えろ」と言われたら、次から相談しなくなりますよね。メンバーが相談に来たときは、答えを与えるのでも突き放すのでもなく、一緒に考える姿勢を見せることが大切です。

「なるほど、それは困ったね。どうしたいと思ってる?」。こんなふうに受けとめながら一緒に考えると、メンバーは安心して相談できるようになります。

③ 連絡に対して「リアクションがある」

意外と多いのが、メンバーが連絡しても反応がないケースです。メールやチャットでの報告に旡読スルー。これが続くと「連絡しても意味がない」と感じて、報連相が減っていきます。

忙しくても、「見たよ、ありがとう」の一言を返す。それだけで「連絡して良かった」という体験が生まれます。

報連相の好循環サイクルの図解
報連相の好循環サイクル

脳の報酬系が教えるコミュニケーションのコツとは?

報連相を脳の仕組みから考えると、シンプルな原則が見えてきます。

「報連相する → 良い体験がある → もっと報連相したくなる」

この好循環をつくるのがマネージャーの仕事です。具体的にはどうすればいいのでしょうか。

認める言葉で「報酬」をつくる

メンバーが報連相してきたとき、その行動自体を認める言葉を返しましょう。「早めに教えてくれて助かったよ」「よく気づいたね」「報告のタイミングが良かった」。こうした一言が、脳にとっての「報酬」になり、報連相の行動が強化されます。

うまくいっている部分にフォーカスする

報告の内容に問題があっても、すべてが問題なわけではありません。うまくいっている部分を見つけて先に伝えることで、メンバーは「全否定されるわけではない」と安心できます。

「ここまでの進め方は良いね。あとはこの部分をこうすると、もっと良くなりそうだ」。この順序で伝えるだけで、メンバーの受け取り方が変わります。

「人のためなら頑張れる」を活用する

人は自分のためよりも、誰かのためのほうが力を発揮できることがあります。報連相も同じです。「あなたの報告のおかげで、チーム全体の判断が早くなった」「この情報があったから、トラブルを防げたよ」。自分の報連相が誰かの役に立っていると実感できると、報連相への動機が強まります。

報連相が変わった実体験から何を学んだか?

エピソード1:叱るのをやめたら報連相が増えた話

チームに遅刻をくり返すメンバーがいた時期の話です。上司からの指示もあり、ぼくは何度も叱りました。でも遅刻は減らず、二人の関係はどんどん悪化していきました。

あるとき、ぼくは叱るのをやめました。遅刻そのものにフォーカスするのではなく、そのメンバーの仕事の中でうまくいっていることに目を向けるようにしたのです。

すると不思議なことに、そのメンバーからの報連相が少しずつ増え始めました。関係が改善したことで、「報連相しやすい」と感じるようになったのだと思います。問題を叩くのをやめたら、コミュニケーション全体が良くなったのです。

エピソード2:新人メンバーの「言いにくい相談」を受けとめた話

入社して数ヶ月のメンバーが、遠慮がちに相談に来ました。外部の制作会社のデザインに対して「これじゃダメだと思います」と。入社歴が浅いから偉そうなことを言うべきではないと思っていたようです。

ぼくはこのメンバーの「言いにくいけど言わなきゃ」という勇気を認めました。「よく言ってくれたね。確かにぼくらの狙いとズレてるね」と。

このとき「報連相してよかった」という体験が生まれたのだと思います。それ以降、そのメンバーは自分なりの意見を持って相談に来るようになりました。最初の一回の受けとめ方が、その後の報連相の質と量を左右するのです。

報連相を活性化させるために明日からできることは?

① 報告への第一声を変える

どんな報告にも、まず「教えてくれてありがとう」と返す。内容の良し悪しより、報告という行動を先に認める。これだけで喁連相のハードルが劇的に下がります。

② うまくいっている部分から伝える

フィードバックするとき、問題点から入るのではなく、うまくいっている部分を先に伝える。「ここは良くできている」と言ってから改善点を伝えると、メンバーは前向きに受けとめられます。

③ 報連相の「その後」を見せる

「あのとき報告してくれた件、こう対処してうまくいったよ」と結果をフィードバックしてみてください。自分の報連相がどう活かされたかを知ると、メンバーは「報連相に意味がある」と実感し、次の行動につながります。

よくある質問

Q. 報連相のルールを厳しくすれば改善しますか?

ルールだけでは根本的な改善は難しいです。報連相は「義務」ではなく「行動」です。行動を増やすには、報連相した結果が「やって良かった」と感じられる環境をつくることが大切です。ルールは最低限の枠組みとして必要ですが、それだけで報連相が活性化することはほとんどありません。

Q. 悪い報告が上がってきたとき、どう受けとめればいいですか?

まず「報告してくれたこと」を認めてください。「教えてくれてありがとう。早めにわかって良かった」と伝えましょう。叱りゟい気持ちがあっても、まず受けとめることで、次も悪い報告を隠さず上げてくれるようになります。問題の対処はその後でも遅くありません。

Q. リモートワークで報連相が減っています。どうすればいいですか?

リモートでは「ちょっとした声かけ」がなくなるので、意識的にリアクションの機会をつくることが大切です。チャットでの報告に「👍」だけでもリアクションする、週1回の1on1で「最近うまくいったことは?」と聞く。こうした小さな接点が、報連相しやすい空気を維持します。


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