マネジメントを振り返って見えてきたもの
同じようにマネジメントをしている仲間と話す機会がありました。お互いの実践を振り返りながら対話するなかで、「自分たちが無意識に大切にしていること」が浮き彫りになっていきました。
マネジメントのやり方は人それぞれです。でも、その根底には「人を大切にしたい」という共通の想いがあることに気づきました。
そこで今回は、ぼく自身がマネジメントで大切にしていることを5つにまとめてみます。
1. 感謝とリスペクトを前提にする
メンバーとの関わりでいちばん基本にしていることは、「この人と一緒に仕事ができてありがたい」という感謝と、一人の人間としてのリスペクトです。
これは意識しないと忘れてしまいます。業績が厳しいときや問題が起きたとき、つい「なんでできないんだ」と思ってしまう。でもそういう時こそ、感謝とリスペクトを意識するようにしています。
2. 失敗してもOK。「まずやってみよう」を支える
メンバーが失敗することを怖がらない。これはぼくにとって大きなテーマです。
失敗したとき、「大丈夫、次はどうしようか」と言えるかどうか。「よくチャレンジしたね」と言えるかどうか。これを続けていると、メンバーの方から「やってみます」と動き出すようになります。
もちろん、ぼく自身も失敗します。そんなとき、自分にも「まあ大丈夫」と言ってあげることが大事だと思っています。自分に厳しすぎると、メンバーにも厳しくなってしまうから。
3. 問題を横に置いて、できることを活かす
メンバーに「問題」があるとき、それを直接なくそうとしても、なかなかうまくいきません。
ぼくが学んだのは、まず問題を横に置いて、本人が大切にしていることやできることを活かすこと。そうすると、結果として問題も小さくなっていくことが多いのです。
できないことに目を向け続けると、お互いに疲弊します。できることを見つけて活かすほうが、メンバーもぼくも前向きでいられます。
4. メンバーが主役になれる出番をつくる
メンバーが「自分の仕事だ」と思える出番をつくること。これは主体性やモチベーションに直結します。
あるメンバーには環境テーマを、別のメンバーには報告会の取りまとめを任せました。どちらも最初は及び腰でしたが、主役として動ける場があると、人は変わっていきます。
大事なのは、ぼくが考えた出番を押し付けるのではなく、その人の強みや関心とつながる出番を一緒に見つけることです。
5. 個人の成果を組織の力につなげる
一人ひとりとの関わりで成果が生まれたら、それを組織全体に広げていく。個人の成功体験をチームの力に変えていくのが、マネージャーの大切な役割だと思っています。
たとえば、あるメンバーが予算計画の仕事をやり遂げたとき、その経験をチーム内で共有してもらいました。本人にとっては自信になるし、他のメンバーにとっても「自分もやれるかも」という刺激になります。
成果と満足を両立する好循環をつくること。ここがマネジメントの醍醐味だと感じています。
ぼくがこの考え方に至った原点
ぼくの原点は、ある時期に感じていた焦燥感でした。
自分が描く高い理想と現状のギャップに落胆し、足りないものを追い続ける毎日。無いものを追い続けることに疲れてしまったのです。
そんなときに、「足りないものではなく、すでにあるものからスタートする」という考え方に出会いました。不調の原因を追うのではなく、「今あるもの」や「できること」に目を向けて、少しずつ前に進んでいく。
小さくても確かに「あるもの」を足がかりにして前に進む。どんな環境でも、きっと前進に役立つ「あるもの」があるはず。この想いがぼくのマネジメントの土台になっています。
あるものからスタートして、人を活かすマネジメントへ。
完璧なマネージャーなんて目指さなくていい。目の前のメンバーを大切にして、できることから始める。それだけで、マネジメントは変わっていきます。
