新しいメンバーを迎えて
新しい目標を掲げて今期がスタートしました。まずはメンバー全員が、元気に顔を見せてくれたことに感謝です。
そして中途採用で新しいメンバーが1名加わり、6名体制となりました。新しいメンバーを迎えて、旧メンバーが一回り大きく見えるのは気のせいでしょうか。
今回は、この新しいメンバーの育成方針について書いていきます。以前の育成経験にも触れ、対比しながらお伝えできればと思います。
2005年:可能感が高まる「エンパワー・ミーティング」
2005年に、あるものに目を向けて関わっていく「エンパワー・ミーティング」で中途社員のメンバーを育成した経験があります。
目的はズバリ、「自分で気づいて考えて、どんどん動けるリーダー」を育てること。人手不足もあり、3ヶ月でのひとり立ちを課題としていました。
「エンパワー・ミーティング」は、可能感(やれる感)をつくることを一番に考えたミーティングです。
目標達成よりも、まずは自分の経験や強みに気づいて「自分はやれるんだ!」と心から思えることを何より大切にします。この可能感こそが、自分から動くためのエンジンになるからです。
スキルが「ない」ことよりも、経験が「ある」ことに目を向ける
その中途社員のメンバーは、業界は違えど社会人としての基本ルールや仕事の遂行経験、他者との協力経験がありました。つまり「既に持っているもの」がたくさんあったのです。
もちろん、新しい環境ではルールも商品も異なり、専門スキルを身につけるには年単位の時間が必要です。しかし、組織としては1年も待っていられません。
だからこそ、エンパワー・ミーティングを通じて、業務スキルが不足しているから「まだできない自分」と捉えるのではなく、「自ら考え、工夫し続けられる自分」と捉えてもらう。
そんな関わりをしていきました。その結果、3ヶ月後にはそのメンバーからこんな言葉が返ってきました。
「仕事中に行動に対して躊躇する時間がなかった」
「出来なかったことを失敗ではなくチャレンジとして捉えられた」
可能感(やれる感)が高まったことで、一人でも仕事を進めていける感覚を掴んでくれたのだと思います。
2026年:興味・関心が高まる「ワクワク・ミーティング」へ
あれから20年。チームマネジメントに応用していく中で、新たな学びを得ました。今、特にフォーカスすべきだと考えているのは、「相手が大切にしていること=興味・関心」です。
その小さな「興味の芽」を丁寧に見つけ出し、組織の役割とつなぎ合わせていくのが、2026年版の「ワクワク・ミーティング」の醍醐味です。
興味・関心は「最強の自走エンジン」になる
人は、自分が「面白い」と感じることに対しては、指示されずとも勝手にリサーチを始め、工夫を凝らします。
この「勝手にやってしまう力」こそが、短期間でのひとり立ちを支える最大の武器になります。
染み付いている「できないこと探し」の壁
1月から始めた新しいメンバーとのミーティングでは、こんな問いかけをしています。
「今日1日を振り返って、少しでも『面白いな』『もっと知りたいな』と興味がもてたことはどんなこと?」
しかし、最初はこんな答えが返ってきました。
「今日は打ち合わせに同席しましたが…やはり経験不足なので、もっと勉強が必要だと思いました」
興味を聞いているのに、なぜか「足りないこと(経験不足)」にフォーカスが向いてしまう。これは、これまでの経験で「目標と現状の差(できないこと)」を埋めるよう求められてきた習慣が染み付いているからです。
あるものを活かして可能性をひらく
スキルが「ない」部分を数えて不安になるのではなく、その人がすでに持っている「興味・関心、強み、経験、価値観」を、どんな仕事につなげていくかを考える。これが可能性を活かすアプローチです。
例えば「データの整理が好き」という興味があれば、まずはその「好き」を活かしてチームの共有リストを整理してもらいます。
その効果として「自分の得意が役に立った!」という満足と成果が同時に得られます。組織としては小さな成果であっても、本人の興味関心に沿っているなら大きく感じるものです。
このように、新しい環境での不安をワクワクに変え、未知の業務へのチャレンジを促すきっかけにしていきます。
失敗の中にある「工夫」を労う
もちろん、3ヶ月の間に失敗も起きるでしょう。しかし、ぼくは失敗を「能力不足」とは見なしません。
「その状況で、どうやって対処しようとしたのか?」
「その時、何を大切にしたいと思ったのか?」
失敗の裏側に隠れた「相手なりの努力や工夫、大切にしたこと」を一緒に見つけ出し、労います。これを継続することで、メンバーは「ここではチャレンジしても大丈夫だ」という安心感を得て、さらに自発的に動き出します。
2026年のチームの姿
かつての「やれる感」に加え、新しいメンバーが「ワクワク(やりたい感)」をエンジンにどんな成長曲線を描いてくれるのか、今から楽しみです。
新しい仲間と共に、この「ワクワクのリズム」がチームに根付いていくといいなあ。
「やれる感」から「やりたい感」へ。
スキルの不足を数えるのではなく、興味の芽を見つけて仕事につなげる。2005年のエンパワー・ミーティングから20年、育成の軸は「可能感」から「ワクワク」へと進化した。興味・関心こそが、最強の自走エンジンになる。
