クリエイティブな仕事と「あるものに目を向ける」発想
24年上期がスタートしました。会社勤めの方は目標を設定されて、達成するための活動にご尽力されていると思います。多くの課題の中で大変だと思いますが、一緒に頑張って参りましょう。
ぼくらのチームはマーケティングに関わるコンテンツ制作をやっています。会社の中ではクリエイティブを担う部門です。商品の価値をどうやって表現して、どうやって伝えるかを考え、そのための企画とかデザインをつくる仕事です。
クリエイティブな発想(その人なりの個性的で独自性のある考えや表現)が必要な仕事は、気づいたこと、思っていることを自由に表に出せることが大事です。一方で問題ばかりに目を向けると、発想が制限されてしまって狭くてつまらない発想になってしまいます。
そういう意味では、仕事をクリエイティブに進めるには、「あるものに目を向ける」発想が役に立ちます。
今回はクリエイティブ部門のマネージャーであるぼくが、チームの目標達成に向けてこの発想をどう活かしているか、という観点で書いてみます。キーワードは「気持ち」です。
チームメンバーの変化
チームメンバーはシニアメンバー(定年を迎えた男性)、サブリーダー(女性)、外国出身のメンバー(女性)、契約社員のメンバー(女性)を含めた5名チームです。個性的なメンバーです。
シニアメンバーはすでに定年を過ぎてシニアとして活躍してくれています。かつて他部署で「仕事をしない」と邪魔扱いされ、ぼくのチームに来てもらいました。よくよく話を聞いてみると、他部署のメンバーが「自分の話を聞いてくれない」とのこと。そのうち、話してもムダと思いはじめ、思っていても言わなくなったそうです。
あれから4年ほど経つでしょうか。今では「仕事をしない」なんて言う人は一人もいません。グローバルの環境対応プロジェクトでリーダーをしてもらい、各国の現地法人を取りまとめる仕事をしています。評価はシニアで最高レベルです。カッコいい!
サブリーダーは過去上司に恵まれず、不遇の時代を過ごしていました。思っていることをつい口に出してしまいトラブルになったり、勤怠についても問題があったようです。それで部署を転々とさせられて、昇格もだいぶ遅れていました。
今は全社新商品発表会の制作リーダーとして活躍してくれています。ぼくの次のマネージャー候補として育成しています。今後は昇格スピードを上げようとぼくの上長と画策しています。マネージャーになるのが楽しみだなあ。
外国出身のメンバーは自分に与えられた役割以外の仕事は絶対にしませんでした。しかし、成長や昇格をするには、業務のレベルを上げたり業務を広げることが必要です。関わる中で、未知のことに着手することが苦手のようでした。なんとなく自己評価が低いのかなあと観察していました。
また、以前はチームで助け合うということはなく、チームメンバーの欠点ばかりが目につくようでした。サブリーダーに対して問題点ばかりが目につき文句が多かったのを覚えています。
ぼくのチームに合流して仕事を進めて行く中で、自分やチームメンバーの力に気づくようになりました。自分が助けられていることにも気づくようになったんです。直近では、ぼくのチームの一丁目一番地のデジタルクリエイティブ制作の走り馬として、チャレンジングに取り組んでいます。その調子!
契約社員のメンバーは、いくら頑張っても給与が上がらないので不満を抱えていました。ぼくから新しい仕事をお願いしても受け入れませんでした。でも実は給与面だけではなく、これまでの仕事に慣れきっていて、そこから出られずにいました。出るのがちょっと怖い様子です。長らくそうやって自分を閉じてきたので、自分に能力があるとは信じられなくなっちゃったのかなと感じていました。
でも、何か分からないけど、「わたしだってできるし、やりたい!」という意思を感じたんですね。一言もそんなこと言ってないんですけど、感じちゃったんです。
それで、クリエイティブ制作を支援する仕事をMACスキルを身につけながらやってほしいと伝えたんですね。この仕事、メンバー全員に貢献できるんです。おまけにスキル習得すれば副業もできるかもしれない。ちょっとお金の面にもつながるかも。
23年下期の評価面談をした時に改めて24年上期はクリエイティブ制作の支援を頑張ってほしいと伝えたら、「やれるか分からないですけど、ちょっとおもしろそうなので頑張ってみます」と言ってくれました。あなたの能力を解放しちゃってください!
ぼくの気づき
ぼくはメンバーのみなさんに謝らなければいけないことがあります。個性の強いメンバーを抱えて「このメンバーでどうやって組織目標を達成すりゃいいんだ。貧乏クジ引いたなあ」なんて考えた時期もあったんです。しかしとんでもない誤解でした。
ぼくはメンバーのことを何も知らなかったんです。どんな食べ物が好きで、どんな映画が好きで、ご家族とどんな風に過ごしていて、体調のバイオリズムはどうなっているのか。どんな気持ちで仕事をしているのか、どんな仕事をしている時に没頭していて、どんな仕事が苦手なのか。好きな人は?嫌いな人は?お金の心配はどの程度深刻なのか。一人一人が大切にしていることはどんなことなのか。
メンバーとの触れ合いを通じて、感じて、知って、理解していく道中で、ぼくの中で組織目標へ向かう一人一人の強みや可能性が浮かび上がってきました。
サブリーダーは決まった時間に出社できないという意味では社会人落第生かもしれないけど、ゼロから取り組む仕事で成果を出したり、多くの関係者とたくさんのコミュニケーションを必要とする仕事では優等生です。ご家庭の事情もあり、仕事への情熱も並々ならぬものがあります。
シニアメンバーはサーフィンが趣味で環境に関心があり、環境負荷を減らす取り組みをライフワークと思っています。タイに赴任経験もあり海外も大好き。海外現地法人とのコミュニケーションも楽しそうです。
外国出身のメンバーは一人でコツコツやって体系化する仕事がとっても向いています。業務のデジタル化を体系化して、メンバーみんなに広げることで自信をつけています。
契約社員のメンバーは、気持ちの奥底にあった「本当はわたしだって活躍したい!」という想いがありました。クリエイティブ制作支援の業務を引き受けることで実現しようとしています。
マネージャーとして、みんなの「気持ち」を知ることの大切さを学びました。
みんなの気持ちを戦略にのせる
チームメンバーのことが分かりはじめ、組織目標へ向かうための火種となる気持ちが分かってくると、希望が見えてきます。みんなの気持ちはぼくの希望なんです。そして「メンバーにこんな気持ちがあるなら、なんとかやれるんじゃないか」と勇気が湧いてくる。
その後は、メンバーの一人一人の「気持ち」を乗せて、目標に向かう道スジを描いていきます。その道スジはみんなの気持ちが大切にできるように描きます。ここが現場マネージャーの腕の見せどころでしょうか。メンバーの仕事が進めば進むほど大切が実っていく道スジです。
ぼくはこの作業がマネージャーの醍醐味だと思っています。とってもワクワクする、クリエイティブな戦略づくりです。マネージャーの役得だと思います。
24年上期は生成AIを使った取り組みも目標に入れています。ちょっと背伸びしたかなあと思いつつ、メンバーはすでに走り出しています。今期も一緒に頑張ろうね!
みんなの気持ちを戦略にのせて、目標達成につなげよう!
メンバーの「気持ち」を知ることが、目標達成の出発点です。一人一人が大切にしていることを、チームの戦略に乗せていく。それがマネージャーの腕の見せどころです。
