親密な人には話したい
大切な家族や夫婦、恋人や友達には、職場や学校であった嬉しかったことや嫌なことを聞いて欲しい時があると思います。親密な人には知って欲しいっていう欲求があるんでしょうかね。
いくら親密な関係であってもケンカをすることはあります。表立ったケンカでなくても不穏な空気が流れたりする。だけど、気づかないうちにいつもの仲良しにもどったりする。ケンカ中だって相手が困っていたら助けたくなることだってあります。
こうした関係性をもった人のつながりって家族に限らず「マイホーム」だなあって思います。安心してオープンでいられる関係。あったかい関係。帰りたくなっちゃうマイホーム。時にはケンカもするけど。人間だもの(笑)。
こうした関係ってすぐにできるわけじゃない。ある程度一緒に時間を過ごして、お互いをわかり合って、同じところや違うところを知る中で少しずつ作られていく気がします。
マイホームにはほど遠かった
最近、ぼくのチームは「マイホーム」に近くなってきたなあって思っています。チームのような目標達成だけの役割集合体じゃなく、お互いを大切にするマイホーム。
4年前まではマイホームとはほど遠かった。メンバーは陰で悪口を言い合うくらい仲が悪かった。あるメンバーはサブリーダーを嫌っていたし、サブリーダーはそのメンバーに対して上から目線だったように見えました。なんだろう、牽制しあってた感じ。
当時は個人商店で仕事をしていました。それぞれ役割担当の仕事があって、他のメンバーと関わらなくても仕事ができていた。お互いなるべく干渉せず、口も出さない。上司であるぼくに対しても、途中で何か言われると仕事が増えるとか、めんどくさくなるとか言って進捗報告はほぼゼロ。報連相なんて夢のまた夢。
でも、振り返ってみると、チームの在り方がこうした状況を作ってきたんだと思います。リーダーであるぼくが、チームを目標達成の道具としてしか見ていない。もちろんそう意識して仕事をしてたわけではなかったけど、やってることはそういう在り方だったと思う。
リーダーが羊飼いだとすると、羊のことをよく分からないまま、ひたすらゴールへ駆り立てる。羊は四方八方へ逃げまわるだけ。日が暮れてもゴールにたどり着かない。羊飼いはくたくたになり疲弊する。
当時、ぼくも組織の成果を出すのに必死だったから仕方ないけど、自分のやり方に違和感を感じていたのは確かです。部下も上司もハッピーではないし、おまけに成果も出せない。なんとも情けない状況でした。
「朝会」がチームを変えた
2020年からコロナの影響でリモート在宅勤務となりました。ますますコミュニケーションが取りにくくなった中、毎日朝9時から朝会を開始しました。
対面でコミュニケーションをとる機会がいっきに減少。画面越しのコミュニケーションによってさらに報連相は難しくなると思ったのですが逆でした。コロナを契機に感染予防の薬はこれがいいとか、マスクがどこで売ってるとか、コロナ対策の話題を中心にメンバーどうしのコミュニケーションが活発になったんです。
ぼくはこの様子を見てチャンスだと思ったんです。とにかくメンバーどうしの話しあう時間が増えたらいい。朝会を話したいことが自由に話せる時間としました。これを毎日続けたんです。
徐々に業務の報連相をしてもらうようにし、やがて朝会はチームの成果を高める上で欠かせない武器となりました。
それだけじゃありません。メンバーどうしの助け合いが生まれたり、チームに対して愛着を持ってくれるようになりました。サブリーダーにぼくらのチームはどんな存在?と聞いたらこう言ってくれました。
「チームは一緒に良いものをつくっている仲間です。業務上困っていることについてアドバイスもらったりするのはありがたいです。小さなことかもしれませんが、実はすごく大きいのですが、いつでも相談できる仲間です。うちのチームはとても風土がよいと思います。それは配慮されているからだと思います」
ぼくらのマイホーム「朝会」
そして、なによりも驚いているのは、みんなが朝会という場に集まって自分の仕事や気持ちについて話したがっていることです。ぼくが今回お伝えしたかったことはここです。
メンバーは仕事についてうまくいったことや出来なかったことに加えて、うれしかったこと、悔しかったこと、頭にきたこと、傷ついてしまったことなどの気持ちも話してくれます。また励ましや助言、さらには厳しい直言ができる場にもなっています。
組織ではたらく人たちはチャレンジしたり、無理を通したり、通されたり、プレッシャーを感じたりしながら、毎日なにかしら傷ついていると思うんですね。傷は浅いうちにケアすることがとても大事だと思います。そしてまた次に向かえればいい。
メンバーは自分なりに懸命に仕事をして、朝会というマイホームに戻ってくる。みんなに話を聞いてもらい、ケアされながら希望や勇気をたずさえて、またホームの外へ飛び出していく。
誰かに話を聞いて欲しい。そこにマイホーム「朝会」がある。
組織の中に、話したくなる場をつくろう。
朝会は単なる報連相の場ではありません。仕事の出来事も、気持ちも、なんでも話せる場。そんな「マイホーム」があるから、メンバーは安心して外に飛び出していけるのです。
